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演奏評

「偉大な繊細さを備えたピアニスト」
「優れた感情移入の能力によって、知性と感性の両方で作品の新たな世界を表現することができる」

(T. A. ケルバー / 作曲家)

「彼女の演奏で特に際立っているのは、楽器の音をコントロールする能力である。 最も複雑なテクスチャーであっても、すべてを聞くことができる。 作曲者の意図を常に実現し、また全ての感情を形にして現す」
「彼女はピアノの多様な音色の可能性を示した」

(A. ロンパネン / 作曲家 / 2022年9月4日 日本・フィンランド新音楽協会公式FBページ投稿)

横浜生まれの彼女は、このベートーヴェン中期の大作(ソナタ 作品32-2)を、意味の深い魔法の曲、音楽の魔力の化身として、ロマンにあふれた嵐と情熱でもって表現した。瞑想的な中間楽章をはさみ、最後のアレグロ楽章では風のざわめきを思い起こさせた。彼女は控えめなペダリングで、楽章の構成と、終始奏される伴奏音型を明確にした。全体を通して完璧なまでの精密さと楽曲への誠実さ、素晴らしいタッチと精神的な深みに満ちた演奏であった。
(F. アンドロッシュ/ 2015年3月2日 オーストリア ティップス・ツァイトゥング)

高橋絵里子はアダージョ K 540 (モーツァルト)において、厳格ではありながら歌うようにフレーズを描いていた。バランスの取れたアクセントは、慰めるような雰囲気の響きと良いコントラストを成していた。
(N. フライ/ 2014年8月19日 ドイツ フルダーアー・ツァイトゥング)

高橋絵里子は、演奏機会の決して多くはないメシアンの「鳥のカタログ」から「コウライウグイス」を演奏した。彼女は早いパッセージであっても構成をはっきり打ち出し、恣意にテンポをゆらすことはなかった。一見なじみのないこの曲は非常にわかりやすく、曲の感情がとてもよく伝わってきた。
(M. G. ギュンケル/ 2014年8月15日 ドイツ ラウターバッハー・アンツァイガー)

高橋絵里子は(ブリテンの)「休日の日記」作品5 を洗練された優しい音色で表現した。
(C. グルーバウアー/ 2013年10月24日 オーストリア ノイエス・フォルクスブラット)